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追突事故の主因 当局が報道制限

2011年07月30日
 
【新唐人2011年7月31日付ニュース】中国の高速鉄道は、日本、ドイツ、フランスなどの技術を発展させたものですが、運行管理などは中国独自のものです。特に事故発生以来、中国の高速鉄道の安全管理が高い関心を呼んでいます。速度世界一の栄誉にこだわった結果、安全基準がおろそかになったのではないか。そんな疑問の声が絶えない中、当局はすでに報道制限を始めています。
 
ロイター通信によると、事故発生の翌日、中国当局は国内メディアに対し、事故に関するマイナス報道を自粛するよう要求。事故原因の調査も禁じました。そのうえ鉄道省は、事故の原因は落雷による故障だと発言して人々の反発を呼びました。
 
追突された一番後ろの車両に乗っていて亡くなった乗客の兄は、政府に公正な処理を求めています。
 
犠牲者の兄 金さん:「まず事故の全体的状況、具体的状況も分かっていません。なぜこんな大事故が起こったのか。第二に賠償問題も未解決です。昨日見たテレビによると一人たった17万元(約200万円)、そんなのありえません」
 
ある北京の専門家は、事故の背景には、鉄道省の運行管理が混乱を極めたことにあると指摘。世界最速にこだわった結果で、落雷が事故の原因にはならないと断言します。
 
北京の専門家 彭定鼎さん:「情報技術がこれほど発展しています。もし線路で列車が故障したら、他の列車はその情報を受け取って停車すべきです。落雷でエンジンが損壊し、こんな事故が起きたとでも?高速鉄道運用開始時に対応策がなかったのでしょうか」
 
北京交通大学の李紅昌(り こうしょう)副教授は、前方車両が停止したことが、なぜ管制室や後方の車両に伝わらなかったのかと首をかしげます。
 
北京交通大学 李紅昌副教授:「理解できません。停止したことを知らせるべきでした。なぜできなかったのでしょうか、おかしいです。電話で管制室に知らせて、管制室が後方車に伝えたっていい、管理責任にほかなりません」
 
中国メディアは、ベテランの列車運転手の話を紹介。どの列車も、たとえシステムすべてが故障しても、線路上にある限り、管制室が運行情報を把握しています。列車もすべて、管制室の指示に従うので、もし2本の列車の距離が接近しすぎれば、自動的に警告が発せられます。つまり、人為的な破壊か、管制室の中枢の故障、あるいは管制室のミスが事故を招いたと言います。
 
当局は事故発生からわずか8時間で捜索を打ち切りました。機械による探索で、生存者の兆しがなかったからだと言います。その後、事故車両を破壊し穴に埋めましたが、常識では、追突列車の先頭車両こそ、事故原因の重要な物証にほかなりません。
 
北京の専門家 彭定鼎さん:「このように先頭車両を埋めて、深夜移動させるなど鉄道省も政府もコソドロのようです」
 
共産党系のサイトですら、鉄道省のやり方は事故現場の破壊ではないかと疑問を投げかけました。
 
北京大学法学院の賀衛方(が えいほう)教授は、中国の最高権力機関である全国人民代表大会に対し、憲法第71条に基づき、「特別調査委員会」を設置すべきだと訴えました。特別調査は最高権力機関にとって、絶対に避けられない義務だと強調します。
 
しかし共産党の独裁権下では、真相究明は望めないとの声も尽きません。メディアと市民の立場を含めた多くのルートが必要だといわれます。
 
当局によると、25日までで死者は40人。しかし上海のテレビ局は現場からの情報として、63人亡くなったと報道。一方、中国の交流サイトには、現場のボランティアの話として、死者はすでに179人を超えているとの書き込みがありました。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
-【禁闻】高铁事故主因-中宣部令不报导.html
 

 

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